得点をしっかり取るための学習に必要なものは、以下の3点です。
1.集中力
2.勉強した内容を、定着させるための学習の作法
3.その単元を学ぶための基礎学力
※「天才(1000人に1人ぐらいいる賢い人)」には、全部不要です。小中学校の勉強ぐらい、学校の授業を聞いていれば全部できる人もいます
今日は、「1.集中力」にスポットを当てて話をしようと思います。
第1回定期テスト1か月前を切った、中学生の塾生にメッセージを送る形で書いています。保護者の方でブログをお読みの方は、ぜひ生徒に直接読ませてください。
★集中力について★
まず、集中力は「誰にでもある」と分かっていない生徒が多い!!
大丈夫、集中力は誰にでもあります。
集中力に自信のないキミにもあります。
好きなことをやっているときに、集中しますよね。ゲームかもしれませんし、マンガかもしれませんし、読書かもしれませんし、映画かもしれませんし、好きな動画を見ているときかもしれませんし、ショッピングかもしれませんし、ボルタリングかもしれません。
勉強がキミにとって「好きなこと」じゃないので、集中できていないだけです。
「集中力がない」という言葉は、「勉強するときに集中できない」という言い方が正しいです。
では「勉強しなければ」と思っているにもかかわらず「集中できない理由」は何でしょうか?
これ、理由は4つです。
1、解けなくて進まない
2、他に気になることがある
3、脳の疲労
4、勉強する目的が、得点を取ることではなく「親の目」を気にしての行動
という4つです。
ここから、どうすれば集中力が持続して勉強できるか、私の考えた方法論を書きます。
※これは、あくまで15年間サナルの教師をやってきて、小1から高3までを毎年教えてきた持論ですので、すべてが科学的見地に基づいているわけではないです
まず最初に大前提として書いておきますが、
「理由の4にあたる、親の目を気にしているだけで勉強しているキミ、やりたくないものを無理やりやらされているだけの感覚」のキミには「集中は不可能」です。
「きっぱりと得点を取ることはあきらめる」か、「覚悟を決めて自ら勉強しようと努力する」か決めましょう。そして、「勉強しよう」と自分の意志で決めた人が、下の文章を読んでください。
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さて、続きを読むということは「勉強しよう」と自分の意志で決めましたね。まずはそこが大切です。
ちなみに余談ですが、お父さんもお母さんも「キミたちに勉強が出来るようになってほしい」という目的を持っているわけではありません。あくまで「勉強ができることがゴール(目的)」でありません。
ただキミに幸せになってもらいたいだけです。
勉強が出来るようになっていれば、キミたちが大人になった時に、幸せに暮らせる可能性が高いのは間違いありません(あくまで確率が高いだけですが)。もし勉強がキミを不幸にするならば、勉強なんてすぐにでもやめてもらいたいと思っているのが、キミのお父さんとお母さんです。
だから、「がんばるかどうか」は、キミの自分の意志で決めなければなりません。
さあ、意志が固まったところで、集中力を持続する方法でしたね。
集中できない理由をもう一回振り返りましょう。
1、解けなくて進まない
2、他に気になることがある
3、脳の疲労
4、勉強する目的が、得点を取ることではなく「親の目」を気にしての行動
という4つでした。
4はクリアしましたので残り1・2・3です。
▼1、解けなくて進めない
解けない問題をいくら考えても、ほとんどが解けません。
だから、1~2分考えて解き進められないと思ったときに、「解説を読む」か「誰かに聞く」か「社会ならば用語を覚えなおす」必要があります。もし解けない問題が何問も続き、解説を読んでも分からない、となった場合、「その単元自体」が理解できていない可能性が高いので、教師にもう一回説明を聞きに行きます。それまでは、その単元を勉強することを中止します。
まとめると
①1~2分解けない問題は、考えても進めないことにストレスがかかりボーっとするだけで時間が過ぎていくので、「解説を読む」か「誰かに質問」する
②解けない問題が多い場合は、単元の再学習が必要になるので、教師にお願いして説明してもらう
③ ②の場合はその単元の学習を中止し、他の勉強をする
※塾の宿題になっていようが何だろうが、中止。意味がない勉強はしない。塾の宿題は謝って、もう一回説明をお願いすればよい。
▼2、他に気になることがある
これはほとんどの場合スマホ・テレビ・ベッドです。
この誘惑から逃れるには「バルス」という合言葉を・・・すみません。
「気になるものを使えない環境に」しましょう。
スマホならば、極論壊してしまうか、売ってしまって目の前から消し去ってしまえばいいのです。もしくは、お母さんや私たち塾の教師に預けるなど、使えない状態にしてしまえばよいのです。
気になることや、やりたいことは家の中にたくさんありますよね。
現代の家の中は「テーマパーク」です。家の中に楽しいことが多すぎます。
だから、それらとの付き合い方として「自分ルール」を決めましょう。そして、勉強している最中は休憩中も含めて気になることが出来ない環境を作りましょう。
※テレビならばリモコンから電池を抜いてしまえば使えなくなります
まとめると
①気になってしまうもの・誘惑してくるものを「使えない状態にするための自分ルール」を作ってから勉強に向かう
②自分ルールを守る
▼3、脳の疲労
脳は疲れてしまうのが早い器官です。
『すべての疲労は脳が原因』という本が2016年に出て15万部ベストセラーになりましたが、脳の疲れは、直接的に集中力を切ることになります。
ではどうするか!!
ぜひ、このリズムで行う勉強方法を試してください。
教え子において、劇的に変わった人が少なくないやり方です。
◆0、その日1日、何を勉強するか20分以内で決める
※こだわる生徒は付箋を貼っていました
◆1、30分以内の勉強
※5分でも10分でも15分でもOK。ただし、最大30分にする
◆2、5分以内アクティブ休憩
※30分以内の勉強を1回やったら、必ず5分以内の短い休憩をとる。最大5分なので、1分でも2分でも良い
◆3、30分以内の勉強をもう一度
◆4、5分以内アクティブ休憩をもう一度
◆5、30分以内の勉強をもう一度
・・・と繰り返す
◆何セットか繰り返したら、20分仮眠休憩
※2時間、3時間、4時間とこだわりはありません。ある程度頑張ったなーと思った時に、20分仮眠休憩を取ります。
このセットで行うとなかなか脳が疲れず、結構集中して勉強を一気に進めることができます。
だまされたと思ってやってみてください。意外に3時間ぐらいぱっと進みます。
※注意点※
・たとえキリが悪くても、30分経ったらその場で勉強をやめる
・30分ごとのタイマーをかける(カウントダウン式が良い。だんだん減ってきて嬉しいから)
⇒ただし、集中できていないと感じたらその場で切り上げて5分間以内アクティブ休憩にいく
・「最初の何をやるか計画を立てておく」ことがかなり大切。実は「何をするか考える時間」が勉強やりたくないモードに最も動きやすい。また、解けない問題がたくさんあったときにも「やりたくないモード」に動きやすいので、一番最初に書いておいたことを実践する
・20分仮眠休憩は、眠れなくてもよい。とにかくゆっくりする。「眼を休める」ことが休憩に必要になるので、電子機器(スマホとか)をなるべく触らない。ただし、ベッドでゆっくり眠るのは避けたほうが・・・朝までコースになる場合がありますので、机に臥せって寝るとかがよいです。
さて、長々と書いてきましたが、集中力をもって持続した勉強を行えるようになれば、得点が取れる勉強に確実に前進しています。
次回は「正しい学習の作法」について改めてまとめてみたいと思います。
横洲