今村夏子さんのデビュー作である「こちらあみ子」という小説を再読しました。
2024年に本屋大賞をとった『成瀬は天下をとりにいく』の主人公である成瀬と、あみ子が確か似ていたよなーと思って再読しはじめたのですが・・・全然似ていませんでした。
というより、びっくりするぐらい哀しくて愛しくて、母親の流産ーやっと母が書道教室の再会をすることになり、あみ子がお祝いだと思って木の札に弟の墓と書いて庭に埋め、母親に見せる場面なんて、涙を堪えるのに必死でした。
10年前はこんなに心揺さぶられる作品ではなかったのですが、年をとったということでしょうか
さて、反省・自省とタイトルに書きましたが「自分の善意は相手の受け取り方次第で悪意につながることもある」という当たり前のことを忘れかけていました。
・志望校が無謀だと感じる生徒の保護者に「こちらは確実に合格できるので」と滑り止めの学校を勧めること
・適当な姿勢が故に得点を落としている可能性が高い生徒に、緊張感をもたせるために叱り飛ばしたこと
・毎日の習慣づけ+質問する習慣を身につけさせるため、小学生集団授業の塾生に渡している宿題が難しいこと
この仕事を始めて20年が経ち、「自分は正しい」と思い込んでしまっているきらいがあるように感じます。
反省です・・・
「日に新たに、日々新たに、また日に新たなり」
塾生は成長し、世の中は変化し、私は年をとっています。
これまでの指導でうまくいった経験をなぞるのではなく、目の前の生徒にとっての最善は何かを考え続ける毎日にしようと改めて思わせてくれた読書となりました。
ちなみに「あみ子」のような塾生がいたら、どこを伸ばしていくのがいいのだろう・・・
佐鳴予備校バンコク校 塾長 横洲(よこす)
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