中学2年生の数学で「つまずきやすい」とよく言われる一次関数
確かにさまざまな手順があり、図形が絡み、利用ではグラフの読み取りも必要になる単元です。
ただ、塾教師になって20年が経ち、一次関数との付き合いも長くなってきましたが、この単元は「言語化して情報を整理させれば、決して塾生たちにとって難しい単元ではない」という考えに落ち着きました。
▼定期テストにも出題される、よくあるこういうグラフの問題(京都府公立高校入試問題より抜粋)
この傾向の問題をパッと解いていくために、
「座標を出すための言語化」
「直線の式を出すための言語化」を手順化できるまで繰り返し教えます。
(例)
問題を解かせるのではなく、まず座標を出すための手順化を聞きます
私 「Aはどうやって出す?」
塾生「直線と直線の交点なので、直線の式の連立方程式」
私 「Bはどうやって出す?」
塾生「x座標が10で右上がりの直線との交点だから直線の式のxに10を代入」
私 「Cはどうやって出す?」
塾生「x座標が10で右下がりの直線との交点だから直線の式のxに10を代入」
私 「Dはどうやって出す?」
塾生「右下がりの直線とx軸との交点だから直線の式のyに0を代入」
というように、授業で座標の出し方を言語化して徹底的に教えます。
毎回の数学で実施する定着テストもグラフと座標、直線を求める問題について「答えの出し方を言葉で説明する」という手法を取ります。
そして、ここまで教えて実際に数字を出させ問題を解かせると(1)(2)(3)の問題だったら(1)(2)までは大体解けます。
また、上記京都府公立高校入試の(2)にある面積2等分の問題も2パターンに分けて教えます。
(例)
私 「三角形の面積二等分線問題は、頂点を通る直線と頂点を通らない直線で解き方が異なるがどう違う?」
塾生 「頂点を通る問題は、底辺の2つの座標の真ん中を通せば出る」
私 「出るとは、どうやって出す?」
塾生 「通る頂点と真ん中の座標がわかるので、その2つの座標を使って直線の式を出す」
私 「2つの座標を使って直線の式を出す方法は2つあるけれど、説明してくれる?」
塾生1「y=ax+bのxとyにそれぞれの座標を代入して、連立方程式を作れば出る」
塾生2「x増加分のy増加で傾きを出してから、どっちかの座標を代入して出す」
私 「その通りだね。では、面積二等分線で頂点を通らない直線の出し方は?」
塾生 「全体の面積を出して、まずどこかで切り取って、必要な分を足したり引いたりする」
私 「言葉では難しいから、これは図を書きながら説明するから見てて。まず見る。書かない。メモ取らない」
・
・ (板書を使って説明)
・
私 「では、今求めた流れで自分でも求めてみよう(板書を隠す)」
実際、学校でこの言語化を繰り返しやってくれれば、私たち私塾では手順化できない応用問題をたくさん教え込んで、数学の奥深さを味わうことができるのですが・・・まぁ、学校教育に多くは望めないので、私たちでやるっきゃないと思って、しつこく繰り返し教え込んでいます。
(サナルでは数学クラスを難問ガンガン・基礎じっくりの2つに分け、特に基礎じっくりクラスでは上記内容を生徒が「もう飽きたよせんせー」というまでやります)
さて「一次関数の利用のための言語化」の話もしたかったのですが、けっこう長くなってしまったので次の記事に書こうと思います。
何にせよ、塾生がつまずくことを見逃さず、どこまでも追いかけてできるようになるまで応援し、出来たことに対して一緒に喜ぶという「ペースメーカー+コーチ」としての役目こそ塾教師の仕事だと思い、今日も全力で邁進いたします。
追記
今日はシラチャにおりますが、風雨で海が荒れに荒れています・・・久しぶりに荒ぶった海を見ました
佐鳴予備校バンコク校 塾長 横洲(よこす)
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