1月9日(木)、横浜の桐蔭学園高校(偏差値66.2020年1月時点)の合格発表があり、第1希望だった中3のMくんが「合格した」と連絡をくれました。
「ミラクルは失礼です!実力です!!」とMくん本人が言いそうですが、私たちからすると「まさに、ミラクルな成績上昇を遂げた生徒」でした。
Mくんは、中学3年生になる直前の2月からサナルに入学しました。
なので、大体1年間サナル生。
※本人から成績開示等全て許可をもらっています
入学したときの成績・・・笑えませんでした。
「入学テストを行わず、どんな生徒でも粘り強く伸ばす」のがモットーの私でさえ、「これ、ホントに大丈夫か・・・」と心配になるレベル。
中1の3学期なんて5教科の定期テスト合計が180点なんですから。
中2の2学期でも170点ちょっとですから、内申点もアヒルがたくさん並んでいる状態・・・
しかも、海外子女にもかかわらず英語が壊滅的。
さらに!!たくさんアドバイスを求めてくるにもかかわらず!!!私への返事も「がんばります!」と笑顔で言うにもかかわらず!!!!すぐ「自分流」に戻ってしまうクセのある生徒でした。
目指すは横浜の名門高校である桐蔭学園高等学校(偏差値67)。
思わず頭を抱えました。どうやったら伸ばせるかと頭を使い倒しました。
入学時偏差値は40ない状態。
まず、内申点を使う勝負は不可能と決め、国数英の3科目に絞る。
数学が好きだったようなので、とにかく徹底して数学から伸ばす方針を決める(方程式も関数も図形も出来ないじゃないか。好きってなんだ!?と思わず叫んだ後日)。
そんなこんなでMくんの受験勉強が始まりました。
春休み、毎日サナル。
ずっとサナル。夜もサナル。
乗法公式・因数分解・平方根・二次方程式までは春休みに仕上がるように徹底的に指導。地頭は悪くない。なので「ぼくはやれば出来る」と徹底的にすりこむ(もともとの性格もあり、かなり自信を持った様子。しめしめと横洲ほくそ笑む。本人そんなこと気が付かない)。
6月定期テスト
数学90点をたたき出す。英語は17点をたたき出す。
何と、内申点は数学5、英語2、国語2という超アンバランスな3科目で合計9(オール3と同じ)。
人生初の5に本人感動。「サナルすげぇ」が口癖に。ただ「5をとった自分もすげぇ」と自信を持ち調子に乗り始める。思ったことを口に出す生徒なので周りの女子に「自慢がウザイ」と面と向かって罵倒されるが、どこ吹く風。そんなMくんに私は感心する。このころに、私と佐藤先生の影響なのか将棋にはまりだす。
夏休み
毎日サナル。
ずっとサナル。夜もサナル。本格的に勉強漬け。最後に気分転換として毎日帰宅前に私や佐藤先生と将棋を指してから帰る日々。数学と国語が出来るようになってくる。将棋も強くなってくる。まれに佐藤先生に勝つぐらいに。関数と方程式をとにかく学習し、ある程度出来るようになる。英語は単語の学習と超基礎英文法のみ。未だに動詞の使い方でさえが不明瞭。He was went to be a doctorなどを書く。笑えない(was went も笑えないがwantと書きたかったはずだ)。超基礎英文法と長文読解に絞って学習をさせることを決意。
9月
定期テストは完全に捨てる。しかし数学は80点をとった。英語も50点ぐらいを取れるように。実力が確実についてきた証拠。本人は成績を気にしない。まだ模試は受けさせる時期に来ていないので、模試はMくんだけ受けていない。自信をつけさせるための模試にしなければならないタイプ。毎日英語を読ませる。単語は2400中の1500ぐらいまで完成する。
10月
解ける問題がかなり増え、調子に乗り始める。勉強する時間より私たちに話しかけに来る時間が増え、佐藤先生に叱責されまくる。へこたれずに話しかけに来る。また叱責されるを繰り返す。
11月
立命館慶祥の受験。10%ぐらい「ワンチャンスある」と私も本人も期待していたが、不合格。少し気落ちする。まだまだ足りないと本人自覚し、話しかけに来ることはなくなった。相変わらず私のアドバイスを聞くが、自分流に戻ることを日々修正。
11月
立命館宇治の受験。不合格。
12月
ずっと第一希望としてきた横浜桐蔭学園高校の1か月前。学習意欲に拍車がかかる。着てくるTシャツには「自宅警備員」の文字。1月は帰国子女受験で英語メインの400点満点のため、私たちは2月に照準を合わせて指導する。
冬休み
毎日サナル。桐蔭高校に出ない国語の記述対策講座もなぜか受講しているMくん。150ページある数学のテキストも気合いで6日間で終わらせる。終わらせなかったら云々と、誰かと約束していたらしい。
1月9日
桐蔭高校の入試本番。当日に合格発表。見事合格を勝ち取る(本人も私たちも2月に照準を合わせていたので予想外)。
1月13日
日本からタイに戻ってくる。なぜか髪型がボウズで丸メガネになっている。まるで東条英機首相。みんなで合格を喜ぶと同時に爆笑。
1月13日続き
桐蔭に合格したが、アドバンスクラスに行きたいので2月にも桐蔭を一般受験することを決め、勉強を続ける。合格して気が抜けると思っていたが、さらに気合いが入って勉強する様子が見られる。成長しているMくんを見て
女子には「受かったんだからMはサナルに来るな!」と罵声を浴びせられるが、本人どこ吹く風。
※2月15日追記
2月の受験で見事にアドバンスクラスへのクラスアップ合格を勝ち取りました
という中3の受験生がいます。
ホントにこの仕事は面白いですね。
心の底から嬉しい日が毎年やってくる。
私が努力すればするほど、生徒たちと一緒に喜べる確率が上がる。みんな幸せになります。
今日もMくんを含め、中3受験生がラストの追い込みにやってきます。
昨日(1月13日)、女子生徒が千葉県にある私立高校で1月18日(土)に行われる試験に向かいました。
感動の「いってらっしゃい」から、忘れ物を取りにもどって来た、ずっこけ出発でしたが 笑
とにかく、今のところ中3受験生の20人中の6人全員が「第一希望合格」で全員決まっています。
この後も続いて、全員合格を目指してがんばります。
今日も全力で邁進します。
佐鳴予備校 バンコク校 塾長 横洲(よこす)