top of page

(長編①)小学生のうちに身につける「算数力」―テーマ1:学習方法に入る前の学習姿勢について―

小学生に算数を教えて早15年。

もともとわたしは文系なので、算数・数学の専門家ではありません。

私の教育の理念が「学習を通じて、生徒の自負心を育てる」ことなので、算数・数学がとても重要になります。自信をつけるも失うも、かなりの確率で算数・数学が関わってくるからです(どういうわけか、算数・数学が出来る人は賢いと判断され、英語や国語や社会が出来る人は賢いと判断されないので)

そして、中学受験をしないならば、明確に出来る・出来ないが子どもの中で判断されるのは中学1年生になったときだというのも、この15年間でよく分かりました。

小学生算数はテストが簡単すぎて、自分で算数が「出来ない状態に陥っている」ことになかなか気が付けません。

だからこそ「どうやったら伸ばせるか」を研究してきました。

専門家ではないので算数を特段に理解しているかどうかはかなり怪しいですが、生徒たちが自信をもって算数に取り組み、中学生になって「出来る!」と自負心をもてるような指導はできるようになりました。

さて、このブログから何回かに分けて「算数への正しい取り組み方」について述べていきたいと考えています。

※2019年12月現在、息子が小学4年生。野球とゲームをこよなく愛する、どこにでもいる10歳です。「中学受験は(野球が出来なくなるから)しないよー」と息子が言っているので、公立中学に進学することになると思っています。算数はまぁまぁ出来るほうだと思いますので、その父親としての実感も含めて書いてまいります

ちなみに

小中学校の算数・数学ぐらい全く問題のないタイプが「10人に1人ぐらい」いるので、それらの生徒たちは除きます。

「算数・数学的思考が得意ではない10人中の9人がどうやったら自信をもてるか」ということにテーマにし、その9人に当てはまる子を持つ保護者向けに書いています。

テーマ1 

学習方法を考える前に、そもそもの姿勢について考える

すごく単純なことですが、「そもそもの姿勢」を身につけることが出来るかどうかで、伸びる・伸びないが大きく分かれます(上にも書きましたが「小学校のテストでは測れない」ということを前提としてください)

▼正しい姿勢

1、習ったときに難しいと感じた問題・間違えた問題について、本当に出来るか別の日に解きなおす

2、それでも分からない問題は質問する

3、最後に「手順化」する。また、難しい問題は「解法暗記」を行う

▼「1」の解き直しについて

分からない問題を放置した状態で算数・数学は伸びません。数学が10人中の9人の方に入り、さらに質問せず放置するタイプならば、算数・数学は100%伸びません。なので「放置しない・質問する」という姿勢を持たせることはとても大切です。

さて、この「1」の姿勢づくりについてですが、小学1年生のときから子どもに伝えていくのが重要。

「分からないことがあったら、質問するんだよー」と伝え続けます。また、「〇×をつけた後に質問させるのだと受け身になりがちでは?」と質問を受けるときもありますが、まずは〇×をつけて、×だったものはその時に一緒に考えさせながら教えてください。そうしないと、分からないたびに「自分で考えずに聞けばいいやー」という子になりがちです。

そうならないけれども、きちんと解決しようとする子になるためには、「どこかで解きなおす日」を作って解きなおしをさせて、それで分からないときには質問させるということを繰り返してください。

また、先ほどから書いていますが「学校のことだけをやっていたら質問らしい質問が出ない」のがほとんどなので、この姿勢が子どもにあるかないかが分かりません。

高学年になってから性格とは違う行動を習慣化するのは時間がかかりますので、なるべく小学1年生ぐらいのときから質問をすることは大切なんだということを身につけさせましょう。

それにともなって、学校で習うことにプラスアルファで考える問題を解かせることを習慣化してください。

▼「2」の質問について

1、「こんなことも出来ないの?」と思われたくないプライドを乗り越える

2、「分からないというのが恥ずかしい」という自分の感情を乗り越える

3、「質問が出来る」ということは、立派なスキルだと理解する

「うちの子、性格的に聞きに行けないのよねー」とおっしゃる方は多いですが、もうこればっかりは、行動と習慣化によって変えるしかありません。もしくは、その性格でも聞きに行ける人を探すしかありません。

※「だから個別指導に通わせる」という選択は、ハッキリ書きますが多くの子どもにとって伸びないものになりがちです。週に2-4時間ぐらい通って、そこで問題を解いて分からない問題をその場で質問して、それですべて出来るようになる子は、結局「10人中の1人」なんです。10人中の9人の子はそこで聞いて分かったけど、もう1回やってみるとやっぱりできないということがほとんどです。だから、そのもう1回やってみて出来なかったを聞きに行けるようにしないと、算数・数学は伸びないんです。個別指導を選ぶなら、その形で質問が出来るシステムかどうかをまず気にしてください。

▼「3」の手順化と解法暗記について

これは高学年にならないと出来ないのですが、「こういう問題はどうやって解くか=手順化」で、「この問題はどうやって解くか=解法暗記」と分けて考えています。

これについては問題例がないと難しいので、テーマ2で話します。

小学生のうちに身につけるテーマ1、そもそもの姿勢についてでした。

まとめると

1、習ったものや一度間違えた問題などは「後日に解き直しをするものだ」という習慣を作る

2、解き直しや新規問題を解いているときに「?」となったものは、必ず質問する習慣を作る

 ※解説を読むのは小学6年生からで充分です

テーマ2では、おそらく「どんな問題を解かせるといいのか?」が気になると思いますので、各学年ごとに使うとよい問題集を特集いたします。また、そこに出てくる問題を使って「手順化」と「解法暗記」についてまとめたいと思います。

佐鳴予備校 バンコク校 塾長 横洲(よこす)

bottom of page